スラムツアーへの思い
ナマステ〜、弥栄です。
ガイドの仕事って大変だけど、すごく楽しい!
早朝出発して日帰りアグラツアーや、夏場の観光はかなりキツイ。
休みの日にも家を空けて、娘達とカビさん(←主人)に悪いな〜と、思ったりもする。
でも、たくさんの出会いと発見がある!
「ありがとうございました!弥栄さんのおかげで楽しめました!また絶対インドへ来ます!」
嬉しくって家に帰ると、
「お帰り〜、お疲れ〜!頑張ったね。」
うん!ママ頑張るね〜。
色々なオリジナルツアーを主催・催行している。まだまだお客様は少ないけど、自分の好きな事を案内できることは、すごく楽しい!
その中で一番力を入れているのが、スラムのお宅訪問ツアー。
彼らについても、このブログで紹介したいな〜と思っている。それだけ可愛い子供や、愉快なおじさんとおばさん、頑張っている人がたくさんいる。
それまでにも私は、スラムというか貧困層のお宅へ遊びに行っていた。
メイドさんやコロニーの掃除担当さんなど、子供の誕生日やお祭りの時にお家へ呼ばれて遊びに行っていた。
そして、子供達が自分の友達の家や周辺を案内してくれる。すると、あちらこちらから子供達が現れる。おしゃべりしながら道案内する子供、後を着いてくる子供。
子供達は生き生きしていて、とても可愛い!彼らとの触れ合いは楽しい!
行く度に、みんなが私を待っている!
いや、チョコレートを待っているのかも?笑
彼らは普段、日本人と触れ合うことなんてないし、退屈な日常のちょっと刺激になっているようで嬉しい。
「今度はいつ来る?来週?」
「う〜ん、来週は無理かな?でも、また来るね〜」
訪問の頻度が増える度に、彼らのために何かできないかな?そう思うようになった。
世界各地でスラムツアーが人気になっている、そんな情報を知った。
私が今すぐできることは、これだ!と、思った。
計画を立てて、1つのツアーとして日本人を案内しよう!
訪問費用を支払えば彼らの生活の手助けになるし、現地インド人との触れ合いで、旅行者も楽しい一石二鳥のツアーだ!
初めのうちは若者の募集が多かった。
なぜか、何かに悩んでいる学生たち。色々悩みがあるのだろう。話を聞いていて最近の若者は大変だと思う。
訪問の後、
「力が湧いた、自分も頑張りたい、懐かしい気持ちになった」
そんな感想を聞いて、このツアーを主催して本当に良かった!と、心から思った。
ある時、1人の女性が参加した。
彼女は、アジアのスラムツアーにたくさん参加したと言っていた。私のスラムツアーは、他のスラムツアーと違って現地の人と触れ合えるのが楽しい、と言って頂いた。
彼女は自分なりのボランティアについて悩んでいた。
「自分がしている事は役に立っているのか?何も変わらない、偽善行為だと言われるけど、やはりそうなのか?」…など。
「小さくても喜んでくれる人がいるから、素晴らしいと思いますよ。」
と、答えた私は、自分自信にも疑問が湧いた。
その時、正直自分も悩んでいた。
旅行者は子供達にお土産を持ってきてくれる。
日本のお菓子やおもちゃ、文房具や古着など。子供が多いため、旅行者には誰に渡すべきか悩ませてしまうし、自分も悩んでしまう。
とりあえず、大きなものは訪問先の子供達中心で、その他、道で会う子供達にはチョコなどのお菓子を配る。
できるだけ多くの子供に平等に配りたいが、恥ずかしがり屋や奥手な子には渡しそびれてしまうことがよくある。
私もお気に入りの子が出来てしまい、ついついその子には多めにあげようと思ってしまう。でも、初めて来る旅行者にしたら、子供達はみんな同じで、みんなに平等にあげたいと思っている。
平等とは本当に難しい。
また、ツアーにした事で訪問頻度が増えてしまい目立つようになってしまっていた。
子供達は、旅行者の持ってきた日本のお菓子やおもちゃに大喜びだけど、人々はどの様に思っているのか?
酔っ払いのおじさんに言われた事を思い出す。
「外国人がこんな所来て、国に帰って笑い物にするのか?」
その時は、訪問先のお兄ちゃん達が言い返していた。
「あいつはあんな感じで、みんなに嫌われているから気にするな。」
と、言われた。
私達が来る事によって嫌な思いをする人や、訪問先の家族への嫉妬もあり、迷惑がかかるのではないか? そう感じた。
自分がしていることは正しいのかな?
悩みながらツアーを主催していたある日、関西の二人の男子大学生の参加があった。
元気な明るい2人で、スラムのテンションを盛り上げてくれた!
子供達は、この面白いお兄ちゃんに大喜び!一緒に踊ったり、写真を撮ったりしてはしゃいでいた。
男の子の1人が、例の酔っ払いおじさんに、「ナマステ〜」と、挨拶した。
おじさんは慌てて、でも嬉しそうに「…ナマステ」と言った。強面の顔が笑顔だった。
あれ?嬉しいんだ!
「ナマステ、いつも騒がしくて迷惑かけてごめんね。」
「いやいや、とんでもない。」
「私はここに来て、みんなと触れ合うのが楽しいんだ。だから、友達も連れてきてあげるの!」
そういった時、おじさんは嬉しそうだった。きっと自分にも話しかけて欲しかっただけなのだと思う。
「めっちゃ楽しかった〜、この旅行で一番楽しかった!あっ、それから何も持って来なくてすみません。逆に永野さんに準備してもらって…」
私はいつもチョコを持って行っていた。
でも、そのチョコよりも、今日の経験は子供達にとって、とても嬉しかったと思う。
一番初めに来た時は、私もお土産を持って来たわけではなかった。話したり、手を繋いで一緒に歩いたり、それだけでも子供達は大喜びだった。
そんな気持ちを、いつも私のツアーに参加してくれて、お世話になっている人に相談した。
「やえさんのおかげで、この様な体験が出来ているのだから頑張って欲しい。」
という励ましの言葉を頂いた。
そう、正しいや間違ってるとかではなく、私が出来る事を自信持ってする!
それで喜んだり楽しんでくれる人がいる!
それで十分なんだ!
そう思ったら気が楽になった。
あんなこんなで、かなり悩んだスラムのお宅訪問ツアー。
逆に参加者からたくさんのパワーをもらってばかりです。
皆さん、本当にありがとうございます!
これからも、無理をせず、自分らしく、私の大好きなインドを紹介していきたい。
皆さんも、元気で生意気で、可愛い子供達に会いに来ませんか?